納得のいくストーリーを作る

転職回数が多いことは、必ずしもデメリットではありません。
しかし雇用する会社にしてみると、ノウハウなどの習得に時間を掛けた頃に退職してしまうのではないかと不安に感じるのも事実です。
面接の時に担当者は、これまでなぜ退社することになったのか質問します。
その際にどう答えるかで、転職回数が評価を分けることになります。

不思議なもので、中小企業の社長の多くは、有能な従業員だけでなく人材育成に積極的です。
それは自身の苦労もあるのかも知れませんが、力を付けてビジネスパートナーになることを望んでいたりもします。
そのため、二、三回ならともかく、転職回数が何十回にも及ぶ人にそれを求めるのは難しいでしょう。
会社というものをもっと知っていても良いはずで、そんな人が面接の際に何でもしますと頭を下げても説得力がなく、採用には傾かないはずです。
それは、これまでの転職で何も学習しておらず、またきっと退社するだろうと判断されてしまうでしょう。

例えば自分の店を持つのが夢で、学校卒業後は金融機関で働いていた人が十年かけて一通りの経験を積み、最初の転職では市場で働き始めたとします。
それから二度目の転職で、飲食店の求人募集に未経験として面接に現れたとしたら、どう判断されるでしょう。
同じように何でもしますと頭を下げた際に、時間を割いてでもノウハウを叩き込んでやろうと気持ちが動くものです。
もちろん、未経験だからいう理由で不採用になることもあります。
しかし、転職回数の多い少ないよりも、それまでの生き方にストーリーが見えれば、評価もまた違ってくるものです。